「みんなの日本語」第9課の教案、導入イラストです。
この課は項目が多く、「わかる・ある」、原因・理由を示す助詞「から」や副詞「よく・だいたい・少し・あまり・全然」「たくさん・少し・あまり・全然」などを導入します。
「副詞」は学生にとって意外と難しく、定期テストではエラーの多い項目ですから、授業では別途練習問題を用意して定着を図りたいところですね。
~は~がわかります
第6課で動作の対象には助詞「を」をとる(例:テレビを見る)としましたが、「わかります」は例外で、「を」ではなく「が」をとります。(練習A3)
例1.「田中さんは日本人です。」「ひらがながわかります。」
例2.「○○さんはひらがなを勉強しました。」「〇〇さんはひらがながわかります。」
ひらがなの導入は、通常はコースの開始から1か月ほどで終わります。
「みなさん、ひらがながわかりますね~?」「大丈夫ですよね~?」なんて聞いたりすると、苦笑いする学生もいたり…でも、この「わかります」の導入の最後には「皆さんはたくさんひらがなを勉強しました。」「ひらがながわかります!」と言って褒めて(?)おきましょう。
「薔薇」って漢字、50人に1人ぐらいの割合で存在する漢字大好きくん(別名:漢字博士)が書き方を覚えて得意気に報告してくる。
程度を表す副詞「よく・だいたい・少し・あまり・全然」
以下、日本人の田中さんの場合
副詞のまとめ(「わかります」専用)
~は~があります
この課で導入する「あります」は所有するものを表します。(練習A4)存在を表す「~に~がある」は第10課で導入です。
上のイラストを使って、山田さんの所有する物を順に確認していきます。
*「みん日」シリーズの絵教材(動詞カード「あります」)を使っても同様の導入ができます。
程度(量)を表す副詞「たくさん・少し・あまり・全然」
学生みんなが笑ってくれるイラストです。
すかさず「私もお金が全然ありません」って言うと笑いがもう5秒ほど延長です。
でも、この「私も」の「も」の使い方も結構難しいんだよね。学生は「私はお金も全然ありません」っていうようなエラーをよくする。
副詞のまとめ(「あります」専用)
2種類の「あまり」
副詞「あまり」は使い方が2種類に分けられます。
- 程度(量)が高くないことを示す
- 頻度が高くないことを示す
余裕があるクラスでは復習を兼ねて以下の例文を確認しておきます。
- あまり寒くないです。(程度)
- あまりわかりません。(程度)
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- マクドナルドであまり食べません。(頻度)
- マクドナルドでよく食べます。(頻度)
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あした何がありますか。(用事・約束・時間)
所有を表す「あります」ですが、新出語彙「時間・約束・用事」でも使うことができます。学生の実生活をもとにして練習しておきましょう。
「時間・約束・用事」以外にも「テストがあります」や「会議があります」「日本語のクラスがあります」などでも使えるので確認しておきましょう。
クラス活動として、学生に実際に一週間の予定表を書いてもらい、発表してもいいですね。
~から、~(理由の「から」)
理由を表す接続助詞「から」の導入です。(練習A5)
お金がありません。→ 銀行に借ります。
疑問詞「どうして?」
疑問詞「どうして」の導入です。原因・理由を問います。
お酒を飲まないと言うスミスさんに対して…
そして、スミスさん…
さすがスミスさん。違反はしません。
会話の中の原因・理由「から」
練習Cの例で「原因・理由の「から」は、会話では文末に置くこともできる」ことを確認しておきます。
コメント
先生、ありがとうございます~
ガブリエラさん
こちらこそ見に来てくれてありがとうー
また来てね~☆
とても分かりやすい絵をありがとうございます!!!
授業に使わせていただいていいですよね?
みっちゃんさま
はい。どうぞお使いください。
これからもよろしくお願いします☆
大変参考になる教案をありがとうございます。ボランティアで日本語を教えていますが、こちらの絵を、そのまま授業で使わせて頂くことは、可能ですか?
Ayaさま
返信が遅れました。すみません。
教案、イラストそのまま是非クラスで使用してください。
使用後、改善案などありましたら、お知らせいただけると有り難いです。:)
いつも参考にさせていただきありがとうございます。
L9の後半副詞のまとめページで、
たくさんあります〜ぜんぜんありませんの中の2行目だけ「わかります」になっていますので、修正いただけたらと存じます。9-29.png
みどっちさま
返信が遅くなりました。すみません。
第9課のエラーのご指摘、ありがとうございました。今訂正しました。
また間違い等ありましたら、コメントいただけるとありがたいです。