日本語教師の皆さま、こんにちは。前回のアップは一昨日です。やはり、毎日の更新は無理でした…でも、二日おきでいけるかな。
今日はずっとアップしたかった「みんなの日本語」第26課の教案とイラストのシェアです。
この課はねー、教師なりたてのとき、どうやって扱えばいいか分からなくて、
ほんと、学生たちに迷惑を掛けてしまった課になります。
今さらですが、ごめんね。
この「んです」ねー、言葉だけで説明するのは非常に難しいんですよ。なぜ?
それはですね、単純ではない文脈が必要だから。
ということで、この課ほどオリジナルイラストが役立つときは無い!
イラスト盛りだくさんで導入していきましょう。
~んですか(練習A1、A2の上2文)
では、まず1つ目のシチュエーション。
学校で先生が学生に聞いています。
「今日は10月31日ですねー。皆さん、ハロウィンパーティーへ行きますか?」
ふつ~うのシチュエーションです。
で、次!
街で偶然スミスさんに会いました。
??? こちらの場面、なぜ「~んですか」が使われたか分かりますか?
ここでは、話し手は「ミニオンに仮装したスミスさん」を見て、ある情報(根拠)を得ました。そこから自分の推測が正しいかどうかを確認しているのです。
- 「~んですか」を使うのは、目の前の事実(情報)を基に、自身の推測が正しいかを確認するとき。
では、同様に他の場面でも例を確認していきましょう。
スミスさん、、、体調が悪そうです。
朝の出欠確認です。ん?
というように、「~んですか」で話し手は自分の推論を確認しています。
動詞、形容詞、名詞の普通形に接続しますが、いずれも上記のイラストの例で確認できます。(教室では全体で練習A1で接続の形の確認しておいてね。)
×スミスさんはイタリア人なんですか?
文法書には学習者の「~んです」の多用に注意しましょう、とよく書いてありますが、うちの学生たちは使いこなせないほうが多いです。だからあんまり使用上の注意を説明する必要はないかと思うんですが、「教え方の手引き」にも書いてあるから、一応確認しておきましょう。
上の二人は初対面です。
ここの「んです」が変な理由は何でしょう?
→ 初めて会った相手から何も情報を得ていない場面では、推測の確認はできません。欧州の人の国籍を顔立ちだけで判断するのは無理。それが理由です。
これはすぐに説明してしまうのではなく、学習者に考えてもらうのもいい方法ですね。
疑問詞~んですか(練習A2の下2文)
「だれにチョコレートをあげるんですか」
バレンタインデー前に、日本の女子がする会話ですね。
こちらでもバレンタインデーは愛の日ですが、男性からもプレゼントをします。国によって違うのですねー。ちょっとした日本文化紹介の出番ですね。
では、先ほどのシーンをもう一度。
B:はい、そうです。
A:いいですね~。どこへ行くんですか。
そして、
B:…一人です。
気まずくなったので、ちょっと質問を変えて、
B:大阪で買いました。
というように、話し手はスミスさん(ハロウィン)に興味を持ち、もっと情報を得たいと思って話し続けました。そんなときにも「~んですか」を使って質問をします。どの質問もこの場面では「~んですか」を使わないと不自然ですよね。
「~んですか」の注意点
ただし、ここでも使用上の注意があります。
それは、「興味を持って質問をしている」ということは話し手の好奇心でもあります。空気を読まず、あまりにしつこく質問を続けると聞き手に悪印象を与えてしまいます。
この点も先生っぽく学生に説明しておきましょう。「多用はだめよ」とね。
「先生」で思い出しましたが、昨年の日本一時帰国で「指示棒」を買いました。(というか今まで持ってなかった…)これはねー、ほんと便利です。さすがジャパン!
大きい文房具屋さんでも買えるらしいのですが、私は時間に余裕がなかったのでAmazonで購入しました。長さにバリエーションがあるのですが、私はペンケースに入れて持ち歩ける長さの物にしました。
今までのようにボールペンで背伸びして指す必要がなくなり、ラクチンです。安いし、一気に先生度がアップ?おススメです。
では、他の文脈でも「疑問詞~んですか」の例を見ていきましょう。
スミスさん、日本語を上手に話しています。
(ここでオノマトペ「ペラペラ」の紹介をしてもいいですね。)
話し手はもっと知りたい、詳しい情報がほしいと思ったので、聞き手にたずねます。
そして、スミスさん、
イラストの文字にはどこで習ったかを空白にしてあります。
ここには皆さまの学校名を入れていただければと思います。「あーやっぱりすごいねー。いい学校なんだねー」というように笑いをとるチャンスなので。イラストの中の吹き出しには学校、所属機関のロゴを入れるともっと分かりやすくなります。
ラスト、もう一つ。「やりもらい」の課のイラストの再利用ですが、
…
ということで、「~んです」の教え方の前半は以上です。イラストを使えば、分かりやすく導入できるのはないでしょうか。
後半は明日アップしますね。
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