「~んですか?」が使いこなせると日本人に近づく?!【みん日・第26課の教案とイラスト(2)】

こんにちは。皆さま、風邪など引かれていませんか?

私はせっかくの週末、いつもの偏頭痛で倒れておりました。言い訳ではありませんが、この頭痛が原因でブログ更新できませんでした。

一番嫌なタイプ、口だけの人間になってしまい、悔しい。

では、前回の続き、「みんなの日本語」第26課の授業案&イラストです。

 

どうして~んですか(練習A3)

スミスさん、友だちがハンバーガーを勧めてくれているのに、拒否しています。

なぜ?
スミスさんの出身地の料理のはずなのに。

 

 どうして食べないんですか? 

どうして~んですか 第26課

 

 お腹が痛いんです 

痛いんです

 

そう、理由は腹痛でした…

ということで、「どうして~んですか」の問いの回答には「~んです」を使って理由説明ができることが分かります。

 

では、この場面での回答のもう一例。

 好きじゃないんです 

ウソでしょ…スミスさん。アメリカ人よね、あなた。

 

ところ変わって、

シルバさんとスミスさん。何故かスミスさん、必死です。

 

 どうして日本語を勉強しているんですか? 

 

 あした、日本語のテストがあるんです 

日本語の試験があるんです

なるほど。そういうことですか。

 

「~んです」(理由説明)の注意点

ここでの学習者にとっての新出は、「~んです」が理由を表すことです。

これまでは理由説明には「~から」を使ってきました。ですから、以下のイラストのように「~んです」と「~から」を並べて使ってしまう場合があります。注意点として、導入、練習後に確認しておきましょう。

 

~。~んです。【理由の追加】(練習A4)

あ、スミスさん、また断ってる。

 

 すみません。きょうは用事があるんです。 

 

ここでは、すみませんと詫びた後に理由を付け加えるため「~んです」を使っています。

 

他にも、

 すみません。きょうは約束があるんです。 

 

皆さんご存じのとおり、この課に来るまではずっと、

「約束がありますから」を使ってきたのにどういうこと?ってなるかもしれません。

このような場面では、ネイティブなら大抵は「~んです」を使うでしょう。でもなんでずっと「~から」を使ってきたの?どういうこと??...私はクラスで「私も聞きたい」と言ってます。(ダメ?)

 

理由は不自然だけど理由説明はできるようになりたいから「~から」を使おう。「~から」であれば既習の「ます形」で使えるしね、という教科書側の都合です。

この「~んです」だけじゃありませんが、文法シラバスではよくあることなので、あまり考えないようにしましょう。

 

ちょっと昔の本になりますが、「日本語教科書の落とし穴」という本が関連テーマを扱っていて面白いです。初級クラスの授業をしている人なら読んでおいていいかも。

 

~んですが、~ていただけませんか(練習A5)

スミスさんと山田さん。

山田さんはスミスさんの先輩です。

 

 きのうのクラス、休んだんですが、ノートを貸していただけませんか? 

あれ?スミスさんと山田さん、大学生になっとる。

 

気を取り直して、今度はスミスさんと部長。

お金を貸していただけませんか

 

 お金を忘れたんですが、貸していただけませんか? 

スミスさん、常習犯。意図的か。

 

ここで導入する文型は「~んですが、~ていただけませんか」という丁寧な依頼の形です。

「~んですが、」は依頼の前置きに当たります。どの状況でもいきなり依頼する内容を伝えるのではなく、やはり事情を説明してから、というのが自然でしょう。

また、教科書にはありませんが、この「~んですか」は「依頼」の前置きだけでなく、「誘い」や「許可を求める」場面でもよく使います。余裕があるクラスでは紹介しておくと理解が深まるかも。

例:
1)コンサートのチケットをもらったんですが、一緒に行きませんか。(誘い)
2)ちょっと頭が痛いんですが、帰ってもいいですか。(許可を求める)

 

~んですが、疑問詞~たらいいですか(練習A6)

「~たらいいですか?」はアドバイスを求める表現です。

これにも「~んですが、」を前置きとして状況悦明に使います。例えば、

スミスさん、富士山に行きたい模様。

~んですが

 

 富士山へ行きたいんですが、いつ行ったらいいですか? 

 

 

 

今度はシルバさん。今の私と同じ悩みで相談、アドバイスを求めている。

 スポーツをしたいんですが、何をしたらいいですか? 

 

 

 テニスをしたらいいですよ。 

 

応用練習「~んですが、疑問詞~たらいいですか?」

ここでは応用練習として、学習者がペアになり「悩みの相談をする」という活動ができます。

「おいしいお寿司を食べたいんですが、どこへ行ったらいいですか」など簡単なもので良いと思います。まずは同様の悩み相談の例を紹介してください。深刻な悩み相談になると困るから。
学生一人対残りの学生で、複数のいろいろなアドバイスをもらうのも面白いですね。

あと、旅行についての相談も盛り上がります。例えば、「イギリスへ行きたいんですが、どこへ行ったらいいですか?」「インドへ行くんですが、何を食べたらいいですか?」など。

 


以上、1年越しの第26課の教案、導入イラストの紹介でした。
皆さまのお役に立ちますように。

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