みん日・第27課(1)の教案とイラスト:「可能動詞」「見えます/聞こえます」

隣から聞こえます

「みんなの日本語Ⅱ」の第27課の教案&イラストです。

ここでは前半の内容:「可能動詞」「見えます/聞こえます(自発動詞)」を見ていきます。

わたしは日本語が少し話せます(練習A1、A2)

能力&可能性を表す文型「辞書形+ことができます」は第18課で学習済みですが、ここでは可能形を使って能力&可能性を表現することを学びます。

 

スミスさんは日本に来て1年です。毎日IBMで一生懸命働いています。スミスさんは、

「日本語が話せます」

日本語が話せます 第27課

 

この「日本語が話せます」は、「日本語を話すことができます」と同じです。

 

可能形のポイントは、

  • 目的格を表す助詞「を」が「が」になる。
  • 話しことば的
  • 動詞を可能形に活用すると、意志を含まなくなる。(意志動詞・無意志動詞は後の課で出てきます。)
  • 「ら抜き」(食べれる、来れる等)
    余裕のあるクラスでは言葉の「ゆれ」として紹介しておきましょ。最近の調査では若い世代の過半数が「ら抜き」を使うことがわかっています。まさに日本語学習者の世代。無視できないし、リアルな日本語に学生は食いつきます。(←「リアル」「食いつく」使ってみた。若者ことば?でもちょっと下品よなー)

 

可能形の活用

上の例文で導入ができたら、下の表を使って、可能形の活用を確認しましょう。

可能形の活用表 日本語 第27課

 

3グループの「します」が「できます」になることに注意しなければなりませんね。

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可能形(能力・技能)

「25メートル泳げます」

泳げます 可能形 第27課

日本の場合、公立の小学校でも水泳の授業があってほとんどの人が泳げますよね。でも、海外の場合、学校にプールがあることが珍しい場合もあり、大人の人でも泳げないことがよくあります。

こういうことを聞くと、教育システムの整った日本ってやっぱりすごい国なんだと思いますが、冬の体育のマラソンは廃止してほしいです。ほんとブルマ姿でよく走ったわ。

 

「日本語が書けます」

日本語が書けます 第27課 可能形

 

「自転車に乗れます」(シルバさん日本で習得)

自転車に乗れます 第27課

 

プールと同じで、自転車の使用が日常の生活の中にある日本と違い、国によっては自転車に乗れない人がたくさんいます。移動手段として必須のアイテムである日本と違い、趣味のスポーツのように乗る海外。

私は高校生のとき、坂のある通学路を毎日40分ぐらいかけて自転車で通ってました…

毎日死ぬほど乗ってるのに週末にちょっとサイクリング...なんてあり得ない。でも運動不足だから乗ったほうがいいんだけど。

可能形(可能性)

コンビニ、便利ですよね。日本万歳。

「24時間買えます」

可能形(可能性) 第27課

 

「ドルで払えます」

ドルで払えます 第27課 可能形

 

会話の中でどのように使われるかの例は以下のとおりです。

A「ビール、飲みに行きませんか?」

B「すみません…用事があるので、行けません」

可能形 第27課

 

可能形には「能力」と「可能性」を表す2つの種類があります。

「みんなの日本語」では練習B1と2が「能力」にあたり、練習B3が「可能性」にあたります。言語によってはこの2種類を使い分ける場合があるので、導入の段階で違いを説明しておきましょう。

2階から花火が見えます(練習A3)

ここでは「見える・聞こえる」を導入します。自発動詞と呼ばれる動詞です。
可能形の「見られる・聞ける」との違いを授業の中でしっかり確認しておきましょう。

 

「富士山が見えます」

富士山が見えます

 

「富士山が見えません

富士山が見えません

 

スミスさんは目が悪いです。めがねをかけます。

「見えます」(おっ、スミスさんのめがね姿)

めがねをかけません。

「見えません」(おっ、のび太目)

見えます、見えません

 

「隣の部屋から何か聞こえます」

隣から聞こえます

 

「おじいちゃんは耳が悪いですから、何も聞こえません

聞こえません

 

見えます VS 見られます   聞こえます VS 聞けます

以下の例で自発動詞(見えます、聞こえます)と可能形(見られます、聞けます)の違いを確認しておきましょう。

 

「テレビで世界のニュースが見られます」

見られる

 

「パソコン(YouTube)で日本の音楽が聞けます」

聞けます

 

上の例文(可能形)は、テレビやパソコンといった手段を使い、何かを見たり、聞いたりすることができることを表します。意志を持つ動作で、手段だけでなく、労力、時間なども含みます。

この可能形に対し、自発動詞(見えます、聞こえます)は、話し手が何もしなくても自然に目や耳に入ってくることを意味します。

 

見えます? 見られます? 聞こえます? 聞けます?

以下の確認問題で理解しておきましょう。

  • インターネットで 日本のドラマが    
  • パソコンで映画が    
  • 今、美術館でゴッホの絵が    
  • 空にたくさん星が      
  • 暗いですから、何も    ません。
  • 忙しいですから、テレビが    ません。
  • 静かですから、隣のうちの声が    
  • このボタンを押すと、ラジオが    
  • 何も    ません。 大きい声で言ってください。
あなたの部屋の窓から何が見えますか?

さらに、「見えます」「聞こえます」の練習です。

時間があれば、各自ノートに窓の絵を描いてから短文を書いて発表するようにすると面白いです。


「窓から山が見えます」

「家の外から鳥の声が聞こえます」

窓から山が見えます

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