前回に続き、第28課の後半、並列や理由を表す「~し、~し」の教案&導入イラストを紹介します。
普通形+し、~(並列)(練習A3)
話し手の「添加、累加の気持ち」を表す表現です。
では、スミスさんを例に導入していきましょう。
スミスさんは、ハンサムです。日本語が話せます。親切です。
スミスさんは、ハンサムだし、日本語も話せるし、それに親切です。
スミスさんの家です。(!?)
小さいです。古いです。駅から遠いです。
スミスさんの家は小さいし、古いし、それに駅から遠いです。
東京はどんな町ですか。
東京はにぎやかだし、店も多いし、それに人も親切です。
「~し、~し」は事柄を2つ以上並列し、「さらに、さらに」という累加の意味を表します。ここで紹介した例文のように、新出語彙の「それに」がよくいっしょに使われます。
注意する点
助詞「が」と「を」の代わりに、累加を表すために「も」をとります。
ただし、以下の例のように、並列される1つめの「~し」では、助詞「が」や「を」でも間違いではありません。試験作成の際は気をつけましょう。
例)
- 東京は人が多いし、物価も高い。(〇)
- 東京は人も多いし、物価も高い。(〇)
~し、~し、~(理由)(練習A4・5)
例1)
アウトドア派の田中さん。
でも!
宿題がたくさん、そして、お金がない。
宿題もあるし、お金もないし、今日は出かけません。
例2)
おいしいし、安いし、いつもここで食べます。
ポイント
「~し」を使うと、後文の結論(今日は出かけない/いつもここで食べる)の理由を表すことができます。
【応用編】~し、~し、~から。(理由)
次に応用編。理由を表す「~し」ですが、結論を述べない理由のみのバージョン「~し、~し、から。」(練習C3)です。
「~し、~し、から。」は会話で使いますが、少し改まった印象を与えます。
友だちX:田中さん、週末どうして出かけなかったんですか?
宿題もあったし、お金もありませんでしたから。
友だちX:どうしていつもこの店で食べるんですか?
この店はおいしいし、それに、安いですから。
また、実際の会話では練習C2のように、理由付けを「~し、~し…」とあいまいに終わらすことが多いです。
「~し、~し…」(練習C2)と「~し、~から。」(練習C3)の両方をしっかり練習しましょ。
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以上、第28課の授業案&導入イラストでした。
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