日本語教師の皆さま、こんにちは。
それでは「みんなの日本語」第34課の教案&イラスト(「~とおりに」「~あとで」)です。
~とおりに~(練習A1-1)
日本語のクラスで先生が言います。
「皆さん、リピートしてください。あ・い・う・え・お」
学生:「あ・い・う・え・お」
「先生が言ったとおりに、学生は言います。」
「動詞た形+とおりに」は、ある人が行った動作と同じように異なることなく行うことを意味し、指示をする場面でよく使われます。
応用導入1
「皆さん、私が言ったとおりに言ってくださいー。」
日本語の早口言葉の導入のチャンスです。早口言葉は楽しいので盛り上がります。
分かりやすいのは、「赤パジャマ、青パジャマ、黄パジャマ、茶パジャマ」「かえるピョコピョコ(み)ピョコピョコ合わせてピョコピョコ(む)ピョコピョコ」「老若男女」など。
「わたしが書いたとおりに書いてください。」
へのへのもへじもいいですね。
第2版では削除されましたが、余裕のあるクラスでは、動詞の辞書形に接続する「~とおりに、~」を紹介しても良いですね。
辞書形の場合は、ある人がこれから行う動作と異なることなく動作をすることを意味します。
~のとおりに、~(練習A1-2)
「た形+とおりに、~」と同じ意味ですが、名詞に接続する場合の「名詞+のとおりに、~」です。
名詞接続でよく使われるのは、「図のとおりに」「線のとおりに」「番号のとおりに」などです。
応用導入2
文化紹介を兼ねて折り紙をしましょう。
作り方の図を用意して「この図のとおりに折ってください」というように導入します。
各コースの学生数や授業で使える時間、難易度等を検討して1作品を選びます。
折り紙にはおりがみくらぶというサイトがおすすめです。季節ごとの折り紙やアニメーションもあって内容が充実したサイトです。
~あとで、~(練習A2)
「~あとで」は、後文の動作が前文の動作のあとに行われることを表します。
接続は、「~とおり~」同様、「動詞た形+あとで、~」「名詞+のあとで、~」になります。
「走ったあとで、シャワーを浴びます」(た形+あとで、~)
「食事のあとで、薬を飲みます。」(名詞+のあとで、~)
~てから(L.16) VS ~あとで(L.34)
時間の前後関係を表す表現には、「~あとで」だけでなく、第16課の「~てから 」や、第18課の「~まえに」もあります。
ここでは「~てから」と「~あとで」の違いを確認しておきましょう。
「勉強する」「テレビを見る」という動作の時間の前後関係を表す場合、「~てから」と「~あとで」の両方を使うことができます。
では、次の例はどうでしょう。(ここからは余裕のあるクラスで紹介してください。)
スミスさんが新しい車を買うという状況です。
a)「インターネットで調べてから、買います」
b)「インターネットで調べたあとで、買います」?
b)の文は、やや不自然だと思いませんか。
「~あとで」は時間の前後関係を表すのみです。
でも「~てから」を用いると、
➀「調べる」という行為(前文)は「買う」という行為(後文)の準備であり、その行為は必要不可欠であるということ、
②「買う」という行為(後文)は「調べる」という行為(前文)が起きてからなされるという起点を表していること
が分かります。
「~てから」のまとめ
- (前文)は(後文)の準備であり、(後文)のために(前文)は必要である。
- (後文)が起きるのは(前文)が起きてから。
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