【日本語の教え方】みんなの日本語・第1課:教案&イラスト(初心者向け!)

日本語を学びたいと意欲あふれる外国人に日本語を教えよう…え、でもどうやって教えるの?

ここでは日本語教師であれば知らない人はいない日本語教科書「みんなの日本語」を基にした日本語の教え方を紹介します。

日本語を教える上で大切なこと、それは新しい単語や文法の導入にはイラストをバンバン使ってインパクトを与え、指導ポイントはきちんと押さえつつ、クラス活動も取り入れながら授業を盛り上げることです。学生が欠伸をしてしまうような授業なんてご法度ですぞよ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

名詞文:主題「は」+「~です」(名前・国籍など)

主題を表す助詞「は」と名詞に付く助動詞「です」の導入です。(練習A1)

名前、国籍、身分、職業(会社員、大学生、学生等)を述べる例文をイラストを使って順に確認していきます。

 わたしはミラーです(名前) 

わたしはミラーです。(名前)日本語初級・第1課の教案とイラスト

 わたしはアメリカ人です(国籍) 

わたしはアメリカ人です(国籍) 日本語初級・第1課の教案とイラスト

 わたしは会社員です(職業) 

わたしは会社員です。(職業) 日本語初級・第1課の教案とイラスト

主人公ミラーさんは、IMC大阪支社に勤務しています。(IBMじゃありません。IMCです。)教科書の後半には本社へ栄転?となり、東京へ引っ越しますが。

「みんなの日本語」は2012年に第2版が出版され、会話ビデオの俳優さんたちも一新された。 第1版の会話ビデオのミラーさんは最初は日本語がかなりカタコトのロボットでビデオを見るたび学生の笑い者だった。でも、課が進むごとに少しずつだけど上手になっていくので、学生の成長と照らし合わせて見ることができて良かったんだよな。第2版のミラーさんは日本語が達者すぎない?

あと、第1版は登場人物の見た目が教科書のイラストとそっくりでいい感じだったんだけど、今のサントスさんなんて全然違うし、第1版のほうが良かったな…

名詞文「~は~です」の導入後は、次の3点を確認しておきましょう。

  • 副助詞「は」は、主題(トピック)を表す。
  • 助詞「は」は「わ」と発音する。
  • 「です」は丁寧な表現である。

 

練習Bで文型練習(パターンプラクティス)をする

新しい文型が導入できたら、次はその文型が実際に使いこなせるようになるための練習をしましょう。

まずは「パターンプラクティス」です。

「みんなの日本語」でいえば練習Bのような練習がパターンプラクティスに当たります。文の一部の語彙を与えられる他の語彙に置き換えたり、時制だけの変換や文を否定文または疑問文に変えたりする練習です。

ここでは、そのパターンプラクティスの中の語彙を置き換える練習「代入練習」からやってみましょう。代入練習は単純な練習でつまらなくなってしまうことがあるので、イラストを使ってテンポよくすることが大切です。

 

私は医者です 山田さんは日本人です 日本語初級・第1課の教案とイラスト  自己紹介をする 日本語初級・第1課の教案とイラスト ワンさんは中国人です 日本語初級・第1課の教案とイラスト

 

新出の語彙を使いながら、上のイラストで名前、国籍、職業の代入練習をしていきます。

まずは、PPTまたは印刷したイラスト(右クリックでダウンロード)で全体練習を行い、次に教科書の練習Bに入ります。導入の段階では耳で確認していた新しい文型も、練習Bをすることによって文字で正しく確認もできます。(ただし一部の練習はイラストがあるので文字部分を紙などで隠し、イラストのみで練習したほうが良いです。)

以下は「みんなの日本語」第1課には出てこない国籍のイラストです。アメリカ、中国、韓国、ブラジル、インドネシアに加え、近年日本語学習者が急増している国、ベトナム、ネパール、台湾を追加しました。国内外の授業で使用してもらえると良いのですが。

自己紹介をする 日本語初級・第1課の教案とイラスト

自己紹介をする 日本語初級・第1課の教案とイラスト

~から来ました

ここで、自己紹介の会話で使用頻度の高い表現「~から来ました」を導入します。(練習C1)

この時点では助詞「から」の細かい文法説明はせず、「~から来ました」という会話表現として導入しておきましょう。

 

  わたしはアメリカから来ました 

アメリカから来ました 日本語初級・第1課の教案とイラスト

 

練習Cで会話練習をする

練習Bの代入練習などで新しい文型に慣れたら、今度は練習Cを使って短い会話の練習をします。

「みんなの日本語」には各課の最後に応用の会話練習(ビデオ)があるのですが、練習Cはその応用会話をスムーズに行うための準備の練習になります。

ここでは教科書を読んで練習はしません。イラストシートの絵を使って各問題の場面を理解しながら話す練習をします。

イラストを使った練習の利点は、場面を見て考えながら話すという現実に近い会話の練習ができることです。(ここでの練習でつまずいてしまう学生は文型が理解できていないのかもしれません。そんな場合は、もう1度練習Bに戻って文型の復習をしてみても。)

 

イラストシートを使った練習が終わったら、似た場面(学習者の実際の生活に近い場面)を設定し、ペアまたはグループでオリジナルの会話で練習をします。5分~10分ぐらいのグループ練習のあと、時間に余裕があれば発表させてもいいですね。

 

「教え方の手引き」を買って「練習C・イラストシート」を手に入れよう

練習Cの練習には「みんなの日本語・教え方の手引き」(スリーエーネットワーク) 付属のCD-ROMに含まれているイラストシートを使います。

この練習Cの会話イラストシート、第1版のときは「教え方の手引き」には含まれておらず、別途購入する必要がありました。しかもCD‐ROMではなく普通の紙媒体の本でした...
昔はこの本のイラストをスキャンしてコンピュータに取り込み、それからそのイラストをパワーポイントに貼り付けて…という手間をかけていたんですよねえ。今じゃ考えられません。(その前はOHP!20代の人、知ってる?)

第2版が出版されたおかげで授業が本当に楽になりました。準備の時間が半減です!

イラストをPPTに貼り付けるときは、横幅いっぱいに拡大し、教室の後ろの席からも見やすいようにしましょう。

「教え方の手引き」はCD‐ROM付きでほんとお買い得、買う価値ありです。


みんなの日本語初級I 第2版 教え方の手引き
〔Amazon〕
みんなの日本語 初級I 第2版 教え方の手引き〔楽天〕

 

~じゃ(では)ありません(名詞文の否定)

「~です」(名詞文)に慣れたら、その否定形「~じゃありません」の導入です。(練習A2)

 

 わたしはサントスさんじゃありません。 [わたしは]ミラーです。 

日本語、名詞文の否定形 日本語初級・第1課の教案とイラスト

サントスさん初登場です。イラストは第1版のサントスさんですが、似てるでしょうか。第1版のサントスさん、おもしろキャラだったのにな。

 

文型(~じゃありません)の導入後は代入練習をします。練習A1で使ったイラストを再利用して、名前・国籍・職業を否定形で言う練習をしつこくしていきます。

否定形の代入練習 日本語初級・第1課の教案とイラスト

名詞文の指導ポイント
  • 既出(既に話題になっている)の主題の「は」は省略できる。
  • 「~じゃありません」はフォーマルな場面や書きことばの場合「~ではありません」になる。「みんなの日本語」の練習Aには「~じゃ」の下にかっこで(では)と書かれています。学生への負担を減らすために、ここでは「~では」の使い方の紹介のみにし、練習は「じゃ」で統一するほうがいいです。

 

「です」&「じゃありません」のまとめ

肯定・否定 日本語初級・第1課の教案とイラスト

 

会話ビデオを見る ~応用会話の練習~

会話ビデオは学生たちのちょっとしたリラックスタイム。

ミラーさん、サントスさん、山田さんといった「みんなの日本語」の登場人物が順に出てきます。第2版では会話によるスト―リーの繋がりも強くなり第1版より面白くなりました。


会話ビデオの使用について

  • 初めてビデオを見るとき、どうしても教科書(会話のスクリプト)を見ながらビデオを見てしまう学生がいます。教科書は見ないように指示しても教科書を見てしまい、せっかくの聴く練習のチャンスを逃してしまっています。こんなときの対処法は、ビデオのスタートボタンを押す前に「テキストを閉じて」と指示することです。そんなことまでいちいちねえと思うかもしれませんが、海外で日本語を学ぶ学生にとって、たとえ1分であっても授業の中で日本語を聞く時間は貴重なのです。
  • 会話の練習中、「小さい声でぼそぼそと話す」「教科書を見ながら話す」という学生がどのクラスにも必ず2,3名います。恐らく、自信がない、間違えるのが恥ずかしいというのが理由です。間違ってもいい、学生みんなが声を出せる練習をしたいですね。

 

最初が肝心!日本語教師の任務とは?

日本語教師の仕事内容はいろいろ挙げられますが、その中でも大切な仕事の1つに
「学習者が積極的に参加できる学習環境を作ること」が挙げられます。

初回の授業は学生みんながやる気満々で臨んできます。しかし、半年後も一年後もそのやる気を維持し続けられるかどうか...並大抵なことではありません。

 

そこで、教師の腕が問われます。

分からないときに質問がしやすいクラスなのか、答えを間違っても恥ずかしくない勉強しやすいクラスなのか、積極的に活動に参加できるクラスなのか...

人の印象は最初の10分で80%が決まると言われるくらいですから、 外国語である日本語に対する印象やクラスの雰囲気の印象も最初の1か月、もしくは最初の1週間、いや、もしかしたら第1回の授業で決まってしまう可能性もあります。欧米で日本語を勉強していると言ったら「何でそんな訳の分からない言葉を…」「頭がおかしいんじゃないか」「世界で一番難しい言語」というのがよく聞く話。私たちはこんなネガティブな印象を覆さなければなりません。

 

文法の説明ももちろん大切です。でも、クラスの環境作りも教師の大切な任務です。特に、今後のクラス運営を左右する1回目の授業が勝負。本当ですよ。日本語教師の皆さん、第1回のクラスは気合入れていきましょう。

 

「みんなの日本語」授業の流れ

以上、第1課の前半部分の教案と導入イラストを紹介しました。

内容は難しくないのですが、導入手順を間違うと学生が混乱、パニックになる可能性もあります。要領よくやることが大切です。ここで授業の流れをまとめておきましょう。

「みんなの日本語」の各課にかかる時間は平均して4時間~5時間になります。

各課の授業の流れ

  1. このブログのオリジナルイラストまたは「みん日」シリーズの「導入・練習イラスト集」のイラストを使って新しい文型を導入する。

    みんなの日本語 初級I 第2版 導入・練習イラスト集〔Amazon〕
    みんなの日本語初級1 第2版 導入・練習イラスト集 〔楽天〕

  2. 教科書の練習Aの例文を読んで文字で文型を確認する。
  3. 練習Bで文型練習(パターンプラクティス)をする。
  4. 時間の余裕があれば、テキスト以外の練習問題またはクラス活動をする。
  5. 新出の文型が入った短い会話を練習Cで練習する。
    (各文型ごとに1.~5.をくり返す。)
  6. 全文型が導入、練習できたら、各課のテーマとなっている会話会話ビデオ)で新しい会話表現を確認し、練習をする。
  7. 問題(聴解、読解を含む)で理解度を確認する。

上記の授業の流れは「みんなの日本語」の全ての課で共通です。

初めのうちはこの進め方がややこしく感じるかもしれませんが、場数を踏めば教案なしでもできるようになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました