対面授業をされている日本語教師の皆さま、お疲れさまです。
私は幸いオンラインの授業が続いているので、感染を心配することもなく生活できているのですが、昨日からダンナが調子が悪いと言っている…大丈夫だとは思うけど、アトピー持ち、喘息持ちの息子がいるので感染はどうしても避けなければならない……心配です。
では条件節「~と」の教案とその導入イラストです。
〈動詞辞書形〉+と、~
条件を表す表現はいくつか(と・たら・ば・なら)ありますが、「みんなの日本語」で最初に登場するのが「~と」(一般条件、仮定条件)になります。
「~と」の特徴には、主に➀後文にくることが必然的に(自然に)そうなること、➁道案内のような行き方や機械の使い方の説明に使うことが挙げられます。
では、導入していきましょう。
このキーを押すと、漢字になります
これはノートパソコンですね。
今から日本語で書きます。
「き」……ひらがなを漢字にします。ポチっ。
何度か例文を口頭で述べ、学生の表情を確認します。フンフンといってる学生もいれば、首をかしげる学生もいるかもしれません。ここでは何となくでも構いません。(何となく)分かろうとすること、考える、推測する、そして、気づくことが大切なのですから。
次にこのイラスト↓を見せ、
そして、最後にこのページ↓
音で(聞いて)気づけなかった学生もイラストと文字を見て、気づくかもしれません。余計なお世話で学習者の母語で翻訳し、まだ考えているクラスメイトに答えを与えてしまう学生もいるかもしれません。ま、それが計算どおりにいかない授業というものです。(たまに計算(教案)どおりに行く)
人が相手のお仕事、難しいものです。でもそれがやりがいでもあります。
では、まだ首をかしげる学生に、そして、確信が欲しい学生にもう1つの例文(導入)を。
そのボタンを押すと、お釣りが出ます
スミスさん、日本の素敵な自動販売機で飲み物を買いました。が、
お釣りが出ません。何故?
そこで、親切な日本人の友だちが言います。
スミスさん、無事、お釣りを受け取ることができました。日本のマシーンに間違いはない!
まだまだいきます。
飛行機で行くと、12時間かかります
アメリカ人のスミスさん、アメリカから日本へ行きます。
「飛行機で行くと、12時間かかります。」(速い!)
「船で行くと、2週間かかります。」(遅い!)
もう1度、文字入りで1つずつ、確認しましょう。
4月になると、桜を見ることができます
今、1月です。2月、3月、4月…
条件節「~と」 ★ 道案内シリーズ
道案内って、難しいですよね。それを外国語でしなきゃいけないなんて…でも、最近はみんなグーグルマップを使ったりするのかな?
私も日本へ里帰りすると、浦島太郎なので地図が必ず必要になります。最後に帰国したときの話ですが、駅前にいる警備の人に道をたずねたら、瞬く間に離れた場所に配置されていた警備の人が集まってきました。男性4人に囲まれたのは初めてで、一瞬ときめいてしまいましたが、残念ながら若い男性ではなく、リタイア後に警備のお仕事をされている方々でした。www
では、道案内を見ていきましょう。
スミスさん、病院へ行きたいです。案内をしてあげましょう。
まっすぐ
- まっすぐ行きます
- 左にあります
「まっすぐ」は新出語になるので、事前に確認しておいても良いですね。
橋を渡る
- 橋を渡ります
- 右にあります
※「渡ります」は助詞「を」を取ることに注意します。
角を曲がる
- 次の角を左へ曲がります
- 右にあります
※「渡ります」同様、「曲がります」も助詞「を」を取り、方向を表すために「へ」を取ります。学生はここで助詞がめちゃくちゃになります。(私の教え方の問題?)
信号を曲がる
同様ですが、「角」の代わりに「信号」のバージョンです。
信号を渡る
今度は、信号を「曲がる」から「渡る」にした場合の例です。
道案内 ~応用編~
応用編の導入の前に、新出語(「ーつ目」「ー番目」)の序数詞の確認をしておきましょう。
- 2つ目の角を左へ曲がります
- 右にあります
他にも…
- 100メートルぐらい行きます
- 左にあります
さらに、応用バージョン。ステップが1つ増えました。
- 交差点を渡ります
- 2つ目の角を右へ曲がります
- 左にあります
道案内のまとめ
エラー無しに言えるようになるには少し時間がかかります。あせらず、ここにあるイラストを1つ1つこなしていくのが良いと思います。文字を見ないでいろいろな言い方ができるようになるとすばらしいですね。
道案内の基礎表現が導入できたら、所属する日本語学校や住んでいる場所付近の実際のグーグルマップをスクリーンショットしたものを用意して練習しましょう。オーセンティックは良いです。あと、この練習はグループ活動がいいです。
「と」VS「たら・ば・なら」
条件を表す文型はいろいろありますが、ここでは初めての条件節(~と)の導入ですから、授業では他の条件節との比較はしません。でも、「たら・ば・なら」を知っている学生もいるので、急な質問にも対応できるようこちらの記事(授業案)も参考にしてください。
「~と」で見られる誤用は、後文に「意志を持つ表現が来る」場合です。それだけは頭に入れておけば、この課の授業も乗り越えられるでしょう。(?)
例) ✖ 4月になると、お花見をします(意志あり)。
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以上、第23課、条件節「~と」の教案例でした。
コメント
初めまして❗オンラインで日本語を教えています。まだ駆け出しで、ワークシート作りに追われています😅
道順のイラストを探し回っていて、こちらに辿り着きました。イラストをタップすると「保存」と出ますが、使わせてもらってもいいのですか?
マミーさま
すみません、遅くなりました。
ブログのイラストは授業であれば自由に使ってください☆