「みんなの日本語」第16課の教え方(教案)、導入イラスト、活動アイデアです。
第14課で導入した【て形】を使った文型がノンストップで導入されます。【て形】に手こずっている学生は悲鳴を上げ、教師の私は一瞬いじめをしている気にもなりますが、嫌がられてもしつこく活用の練習を続けていきます。
【て形】の活用を乗り越えたら、JLPTのN4合格もすぐそこです。
て形、て形、~(練習A1)
「て形、て形、~」は、2つ以上の動作を並べ、その動作の順序を示す表現です。いきなり上の絵で導入するのではなく、3つの動作を一つずつ絵カードで確認してから導入します。
7時に起きて、シャワーを浴びて、朝ごはんを食べます。
きのう、家に帰って、シャワーを浴びて、晩ごはんを食べました。
現在形(未来形)で練習をしたあと、過去時制の文を導入します。
- 過去時制の場合、文末のみを過去形にし、文全体を修飾します。
「て形」の部分は変化しません。
この文型に使う動詞は3つぐらいまでが適当ですが、2つの動作を並べるだけで精一杯の学生が多いです。【て形】に活用しながら考えなければならないということもありますが、創造力が乏しいというか…
日本人と比べ、基本的に外国人学習者は作文が苦手です。
大人や大学生が結論のない文章を堂々と書くのです。
日本人の場合、子どものときから日記や作文、読書感想文など国語の時間で書く訓練をし、知らないうちに書く力がついています。国にもよりますが、レポートやエッセイを書く練習は大学に入ってからで小中高校ではあまりやらないらしいのです。その代わり、外国人は発表やディベートが上手ですよね。うちの子どもも小学校1年生のときからPPTを使って発表をさせられてました。
接続詞「それから」
7時に起きて、シャワーを浴びて、それから朝ごはんを食べます。
~から~までどうやって行きますか
秋葉原から大阪までどうやって行きますか。
電車の路線図を使って、新出の疑問詞「どうやって」の導入です。
「どうやって」は道順や方法を尋ねるときに使います。
この「どうやって」は文型の2番にあるのですが、練習ABCにはないので、別途練習を用意しなければなりません。(教え方の手引きには導入例があります。)
ここではイラストを使って秋葉原駅から大阪駅までの行き方を言う練習します。
- 山手線・秋葉原駅から電車に乗る。
- 東京駅で新幹線に乗り換える。
- 大阪駅で降りる。
新幹線の駅だから本当は新大阪駅ですね…学生にばれるかしら?
秋葉原から電車に乗って、東京で新幹線に乗り換えて、大阪で降ります。
~て形+から、~(練習A2)
文型「~てから」は、前件の動作が終わったあと、後件の動作をすることを強調する表現です。
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テレビを見ますか?それとも、宿題をしますか?
どちらが先ですか?
はい、そうです。
まず宿題をします。それからテレビを見ます。
「~てから」の注意点
- 従属節の主語の「は」を「が」にします。
(⇔「~て、~て、~」の場合、動作をする人は常に同一の人です。)
例:わたしはミラーさんが来てから、日本語を勉強します。 - 「~て、~」と「~てから、~」の文末の動詞は「~ます」以外の形でも使います。
例:「宿題をしてから、テレビを見ましょう。」「宿題をしてから、テレビを見てください。」「宿題をしてから、テレビを見たいです。」「宿題をしてから、テレビを見てもいいです。」など
こんなQA問題も
- 好きな物を食べてから嫌いな物を食べますか。嫌いな物を食べてから好きな物を食べますか。
- 朝、シャワーを浴びてから朝ごはんを食べますか。朝ごはんを食べてからシャワーを浴びますか。
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