日本語教師の仕事が本当に面白いと感じる1冊!おすすめの新書

日本語教師をやっていると、どうやって説明したらいいんだろう?
日本語を教えるのって難しいと感じることがよくあります。

本で調べて、先輩にアドバイスをもらって、経験を積んで…解決のために日々前進しています。

 

が、どうしようもないテーマもあるんですよね。

今日はそんなテーマがまとめられた1冊をご紹介します。

言語(日本語)は文化を反映する

例えば「みんなの日本語」第24課の「~くれます」といった他の言語に翻訳できない文型の説明です。

こういった表現の導入には、いつもの理論的な文法の説明だけでなく、日本の文化や習慣、価値観などを紹介する必要が出てきます。頭の中で機械的に日本語を母語に翻訳するという作業ができないことがあることを学生に知ってもらわなければならないのです。

 

学習者には「言語(日本語)は文化を反映する」ということを知ってもらい、日本語を体で感じた上で、「もっと日本のことを知りたい、もっと日本語を学びたい」と感じてほしいと思います。

 

日本語を翻訳するということ

「みんなの日本語」第24課の「やりもらい」といえば「ウチとソト」の概念

この概念が分かれば「やりもらい」が分かる。敬語も分かる。つまり「ウチとソト」を全く知らないとやりもらいも敬語も100%理解しているとは言えない。

 

先月(2018/6/20)「日本語を翻訳するということ – 失われるもの、残るもの」 (中公新書)という本が出版されました。「翻訳」とありますが、日本語教育に携わる日本語教師の皆さんにおすすめの1冊です。

日本語学習者は新しい語彙や文型を習ったとき、自身の言語に翻訳して考えることがほとんどだと思います。でも、それ(翻訳)ができない場合があるんですよね。日本語の表現の中には隠れた日本の文化なんかがあったりする。だから、私たち日本語教師はその隠れたところまで学習者に伝えていかなければならない。

「難しくて、答えも分からない。でも、だから面白い」がこの1冊に詰まっています。これを読むことでとても考えさせられます。(考えてアラフォーの脳ミソ活発にしないとね。)

日本語を翻訳するということ – 失われるもの、残るもの (中公新書)

著者の牧野先生とは一緒にお食事をさせていただいたことがあります。牧野先生はプリンストン大学で長く教鞭をとられていた先生です。ちょうどラッセル・クロウ主演の映画「ビューティフル・マインド」が公開された直後で、映画の撮影裏話なども聞かせていただきました。「ビューティフル・マインド」の主人公は実在したプリンストン大学の数学者(ノーベル賞も受賞)で、実際に大学がロケ地に使われたそう。

学者でもない研究者でもないフツーの日本語教師の私にも気さくに話してくださる優しい大好きな先生です。

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