久しぶりの「中級へ行こう」です。
最近よく、“学生は本当に授業を楽しく受けられているのか”と自問自答しています。
自分が高校生のとき、英語の授業が楽しかったかどうかと言うと…楽しくなかった。
そのせいか私の英語力は全く伸びず。大学受験のため、試験のための勉強でした。
今、教師の立場にあるけど、英語学習の苦い経験があるにも関わらず、同じようにとにかく文法知識を詰め込み教えようとしている私…何だかなあ。
皆さんはどう思いますか?
では、「中級へ行こう」第2課の教案例です。
「中級へ行こう」第2課・本文
テーマは「地震」です。
まずは、教科書のとびらのページのイラストを見て、何の状況か学生に発言させましょう。「地震」は新出語彙ですが、知っている学生も多いと思います。
「地震」は学生も発言しやすいテーマだと思いますが、地震が全く起きない国もあります。その場合、地震の経験は無いはずです。
私自身も出身が関西で阪神淡路大震災を経験しているのですが、それまでは全く地震の経験がなく、初めての地震が大地震でした。揺れているときも一体何が起きているのか分からなかったぐらいです。
地震未経験の学生に向け、地震が起きた部屋の中の様子などの写真を震度別に用意して見せ、それぞれどのレベルかクイズをしてもいいかもしれません。YOUTUBEで過去の地震の動画を見ることもできますが、悲しむ学生もいるので避けたほうがいいと思います。
「新しいことば(新出語彙)」の確認
- 「起きる」(地震が~) 「朝、起きる」とは違うことを確認。他の使用例に「問題が起きる」を紹介してもいいかも。
- 「ストーブ」「ガスコンロ」写真を見せて説明しましょう。
- 「おさまる」ストップする、静かになる、という意味。
- 「連絡方法」連絡をする方法
新しい文型と表現
~のでしょうか
「~のでしょうか」は、直接的ではない、丁寧に問う言い方です。
テキストの例文をイラストにしてみました。
何だろ、このおばさん、部屋を使いたいんだろうけど、なぜに?
(皆さんは授業の前に理由を考えておいてくださいね。)
では、次の例。
紅葉の葉の色の移り変わりを見て、ひとこと。
説明を一瞬で終わらせたい場合は、これ。(いいのか?)
もう少し
余裕があるクラスでは、以下の例文【~でしょう】の違いを確認しておきましょう。
- この部屋を使うのに許可が必要でしょう。(話し手が推量を述べる、初級第32課)
- この部屋を使うのに許可が必要でしょう?
(話し手の考えが正しいかどうか聞き手に確認する、初級第21課) - この部屋を使うのに許可が必要でしょうか。(推測+丁寧な質問、中級行第2課)
V(よ)うとしても、Vない
この表現の導入の前に、初級で学んだ「自動詞・他動詞」の復習が必須です。ここでは割愛。
おばさん、頑張ってます。「開けたい」のよね~、でも、開かない。
アラフォーの私も、腕力落ちてます…
おばさん、努力をしましたが、叶いませんでした。
「~ようとしても、~ない」は、初級で学習した意向形【~よう】を使います。
何かの行為を意志を持って努力するのだけれど(他動詞)、実現しない、コントロールできない(自動詞)ということですね。
~のは~だ
スミスさん、日本語を勉強しています。が、日本語で1番難しい、それは...
パワーポイントで上の二つのイラストをテンポよく見せ、導入します。
「1番、難しい。それは...」のところで、学生の注意を引き、間を空けて「漢字」と強く言いましょう。よくテレビのクイズ番組の「答えはCMのあと」のように。
こうすることで、話し手の強調したいことが伝えられます。強調することは後件にくるのですね。
「1番難しいのは、漢字です」
ひらがなでもない、文法でもない、会話でもない、『漢字』だということが強調されます。
では、もう一つの例を見てみましょう。
まずは、普通の例文。「先週、田中さんは本を買いました。」
これを応用すると、
本を買ったの(人)は、だれ??
そう、田中さん。この田中さんに重点が置かれています。
今度は、田中さんが買ったの(物)は、何??
物に重点が置かれ、それは「本」であると言ってます。
上の2文と同様で、今度は「本を買ったの(とき)は、いつなの?」という話です。
「先週よ!!」
「~のは~だ」のまとめ
このように、中級レベルになると、同じ状況説明でも強調する箇所を変えて表現できるようになります。
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以上、「中級へ行こう」第2課の教え方でした。
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