【海外在住】ここにも新型コロナウィルスの波 ~外出禁止令下の近況のまとめ~

世界の日本語教師の皆さま、毎日窮屈で居心地の悪い日々を送られていることと思います。
いかがお過ごしでしょうか。(状況が悪すぎて、時候の挨拶もできない…)

私は海外在住歴約20年の在外邦人です。

今のところ、どこに住んでいるかは伏せているのですが、これはただ単に居住国の同業者に正体がバレたくないから…素性を明かさないというのは無責任な気もしますが、趣味でやってるこのブログは、周りに気を使わず、自由に楽しみたいと思っています。(他に趣味がないもので。)

最近は男性の日本語教師も多くいらっしゃいますが、収入の安定しない日本語教師業は海外ではパート主婦(女)が多く、昼ドラごとくドロドロの世界。私の周りは稀に見るドロドロの中のドロドロ。やはり、ブログは別世界で存在させたいと思います。(たまにこのドロドロ感を楽しんでるアラフォー女ですが。)

というわけで、私が今どの地にいるかは申し上げられませんが、私の周りで起きている直近の状況をご報告したいと思います。

 

突然のロックダウン(都市封鎖)!

1月2月、ここは通常どおりの生活だった

1月2月、学校や職場も通常だった。
デパートのバーゲンには行くし、誰かの誕生日であれば、小さい家に20人も30人も集まる。職場の会議もいつもどおり。ただ、中国の状況に関しては毎日のニュースで騒がれており、息子は冗談で何度か「ママ、マスクをストックしておかなきゃ」と言っていた。私は「日本のマスクがちょっと残ってけど、大丈夫だよ。ははは。」と笑い流した。だってこちらでは一般市民がマスクを使う習慣はないし、見たことも買ったこともなかったから。

3月の1週目、横浜のクルーズ船の状況や、突然の日本の学校の臨時休校、テレワークへの切り替え…日本がパニックに陥っているニュースを見て、さすがに私も焦り始めた。既に薬局では手に入らなくなっていたアルコール消毒液やマスクを値段は通常より高いが何とかネットで手に入れ、友達や親戚には会うたびにコロナウィルス対策の必要性を伝えた。しかし、この時点では大袈裟すぎると誰にも相手にされず、笑い話に終わった...

(いつものことだが、旦那に馬鹿にされるのが1番悔しい。家族でディスカッションになると、ほとんど、私(独り)VS ダンナ&息子(3人)で意見が分かれる。そして、それぞれが自分の意見を押し付ける。改めて我が家には異文化コミュニケーションの教育が必要だと思う。)

 

皆に大袈裟だと言われたその翌週、1)保健省から初めての感染者が報告され、2)首都圏の学校、大学機関の休校(2週間)の発表、そして、3)高齢者や小児、妊婦へのインフルエンザ予防接種の案内が全国ニュースで流れた。

この週以降、中国や日本のコロナのニュースに加え、自国のコロナのニュースが四六時中流れることになるのだが、上のニュースが流れた直後、訳の分からない市民はただただ焦り、パニック状態で病院に押し寄せ、インフルエンザの予防接種を受けようとした。マスクもつけず、他人と体を密接にし長い列をなし、自ら感染しに行っているようなものだった。

その後、政府がワクチンは十分にあると発表したが手遅れで、プライベートの高級クリニックでも「接種の予約は5月以降」とのことだった。

 

そして、息子の冗談が冗談でなくなったのが、3月の中旬。今から2週間前だ。

 

中国、伊、西、米国に続き、都市封鎖の波がここにもやって来た。

政府の突然のロックダウン宣言。

実は3月の2週目に、一部の区の区長が区内のモールの営業停止や公園の出入り禁止を発表しており、この対応について各分野の専門家が賛否の意見をのんびり交わしていた。

そして、その他の対策が特に具体化しない中、3月の3週目、政府が突然のロックダウン宣言。宣言時、ロックダウンまでに市民に残された時間は30時間を切っており、テレビのニュースのテロップには「東京オリンピックまであと〇〇日」でもなく「新年まであと〇時間」でもなく「ロックダウンまであと〇〇時間〇分」というカウントダウンが流れた。時限爆弾か?

当然市民は不安を煽られ、スーパーや薬局、役所に一気に人が押し寄せた。役所には外出禁止中に特別外出を許可してもらうための手続きで人が集まったのだが、詳しい情報が行き渡っておらず、結局政府は半日ごとに対応を変えている始末。

 

「ロックダウンまであと30時間のスーパーの様子」

写真では分かりにくいが、入店には制限があり、長蛇の列。この列はスーパーの建物をぐるっと周り、地下駐車場まで続く。

人と人との距離は何となくだが取られている。みんな感染対策初心者だ。緊迫した雰囲気から、列では「私が先だ」「いや私だ」なんていう口論も起きていた。

 

私も旦那と並んだのだが、高齢者優先で入店させており、いつになったら入れるのか分からない。都市封鎖が始まっても区域内であれば食料などの買い物は許可されているので、私たちは諦めて日を改めることにした。

 

ロックダウン開始されてからの様子

ロックダウン開始後のうちの状況はというと、ダンナはテレワーク、息子たちはゲーム漬け、ときどき勉強、私はオンラインレッスンの準備、ときどきブログ、という毎日。

いきなりの教育省の臨時休校の発表後、1週間は学校から連絡がなかった。
アメリカではオンライン学習の準備が整ってから休校に入ったらしいが、ここは学校側も学生側も準備ゼロで休校に入った。今、やっとグーグルclassroomやインスタグラムを使った遠隔学習が整ってきた状態で、こんな状態が数か月は続くことを子どもも私も覚悟した。(子どもはゲームができてだらだら生活できるので文句ゼロ)

 

外出を続ける人たち

外出の制限が敷かれても、正当な理由なしに外出する、感染者が自宅隔離を守らないケースが相次いでいることが問題になっている。

国民の外出自粛を促すために、テレビ局もニュースキャスターが自宅からテレビ電話でニュースを伝えたり、日曜日の朝の政治討論も司会者のみがスタジオに入り、その他の討論参加者はそれぞれ自宅からテレビ電話で参加している。

 

日本では起こりそうにないこともある。

ロックダウン中、食料の買い物は禁止されていないので酒屋に長い列ができるのだ。
これを受けて、政府は「酒屋を全店営業停止」にした。

 

集団感染

他国同様、宗教関係の施設で集団感染が起きた。祈りで世界を救うはずが…
他にも老人介護施設で10人単位の集団感染が起きて、被害者家族は自治体に責任追及している模様。

 

誹謗中傷

自閉症の子どもなどは、家に閉じ込められることでストレスが溜まり、癇癪を起こしてしまう。そのため、親は適度に子どもを連れ出し散歩をするらしいが、それを見た事情を知らない人たちが罵声を浴びせるという。コロナのせいで人の気持ちまでおかしくなっている。

 

ゴーストタウン化した町

こんな状況を利用した犯罪者が増え、町は治安が悪くなっている。
他にも、普段は山から下りてこない動物たちが町をうろついている。うちの近くでも普段は見かけない野生動物が出現...隔離という檻から自由になった動物たちを眺めている。

これから私たちはどうなるのか?

この先数か月の見通しだが、私個人に関しては授業がオンラインに切り替えられ、わずかではあるが収入はある。ダンナはテレワークが可能な仕事でとりあえず働いている。幸い持ち家があるので、仕事を失っても住むところはあり、しばらくの生活は成り立つだろう。

しかし、医療施設の整っていないこの国でコロナウィルスに感染して重症化したらどうなるのか…?

 

今は先のことを考えず、とにかく目の前にあることに全力を尽くすことにする。

 

そして、必要のない外出はせず、自分の身を守り、周りにも感染を広げない。

 

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コメント

  1. Cindy より:

    今まで何度も先生のブログを拝見し参考にさせて頂いております。
    使い勝手の良い、PDFなどのドキュメントを無料で使わせて頂き、大変助かっております。いつも本当に有難うございます。

    各国大変な状況ではありますが、一人一人の意識も大事ですね。
    私もオンライン授業が増えましたが、対面授業も未だに少しやっています(少人数制のプライベートスクールなので)距離を取り、窓全開、消毒液を使いまくっています。 

    私は昔、別の仕事ですが海外に住んでいたので、いつか先生の様にまた海外で暮らして
    日本語を教えてみたいと思っております。
    いつか、ドロドロ中のドロドロのお話 是非ブログで拝見したいです。

    • 佐藤ひれ佐藤けい子 より:

      Cindyさま

      コメントありがとうございます。

      日本はまだ対面授業がなされているのですね。
      教室内で距離をとり…ということは学生たちはペアでの会話の練習も難しいということですよね。(;_:)

      ドロドロのお話は本が書けそうなぐらいですが、書いたら即特定される想像を超える独特なもので…このブログに書けたらなあ。

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