お久しぶりです。ほぼ1か月ぶりです。
先月は日本語弁論大会、セミナー、中間テストと忙しく、ブログの優先順位が下がってました。毎週記事アップを目標としていたのに…
おかげさまで弁論大会は無事に終わりましたが、この行事は他機関と合同で行うのでいつも何かしら問題が起きます。もちろん、想像の域を超える問題です。今年は5回ほどおったまげて、腰も5回ほど抜けそうになりました。来年に向け、もっと腰を鍛える必要があります。
海外に来る日本語教師はただ者ではない。(私もその一人か?)
では、「みんなの日本語」第13課の教案(例)&イラストです。
わたしはNが欲しいです(練習A1)
スミスさんの家は…ええっ!?駅から5km??「遠すぎっ!」
スミスさん:「私は車が欲しいです。」
スミスさん:「彼女が欲しいです。」
この導入で学生はみな一斉に「あ~、スミスさん、可哀想」と。
「Nが欲しいです」は、話し手の何かを所有したいという願望を表す形容詞です。ポイントは次のとおり:
- 「欲しい」の目的語は「を」ではなく、「が」をとる。
- 「欲しい」は、聞き手、第三者の願望に使うと不自然になる。
- 目上の人に「欲しいですか」と聞くことは失礼になる。(何かを勧めるときは「いかがですか」を使う。)
何がいちばん欲しいですか
このQAは盛り上がります。(回答は圧倒的に「お金$」。金があれば何でも手に入る!!)
「~(の中)で、疑問詞+がいちばん~です(か)」は第12課で導入したばかりです。復習を兼ね、きちんと言えるまで口頭練習をします。
その後はもう少しつっこんで以下の例文を導入しておきましょう。
どんな車が欲しいですか。
わたしは~を(が)〈ます形〉+たいです(練習A2・3)
スミスさん…お腹が空きました。
スミスさん…のども乾きました。
前述の「欲しいです」で願望を表す文型を学習しているため、上の導入イラストが話し手のある行為をしたいという気持ちの表現であることがすぐ分かります。
しかし、ここで学習者の注意を引かなければならないのは「~たいです」の文型に接続する動詞の形〈ます形〉です。
第6課で「~ましょう」が導入されたときに、既に〈ます形〉は使用していますが、動詞の活用の種類についての説明はまだと思います。第14課のて形の導入のときに説明する先生もいるかと思いますが、私は第13課のこの部分で少し説明をしています。第14課では動詞のグループ分け、活用(て形)と項目が多いので、その負担を軽減するためです。
ポイントは次のとおり:
- 「~たいです」の目的語は「を」で導入するが、課の終わりに文型・例文でまとめをする際、「が」も同様に使えることを紹介しておく。(混乱を避けるため、まずは「を」で徹底する)
- 「欲しい」同様、聞き手や第三者の願望に使うと不自然になる。
- 「欲しい」同様、目上の人に「~たいですか」と聞くことは失礼になる。(何かを勧めるときは「いかがですか」を使う。)
他にも、市販の「導入・練習イラスト集」にもいくつかイラストがあります。文型導入後は、こちらのイラストを使って慣れるまで口頭練習をしておきましょう。
みんなの日本語 初級I 第2版 導入・練習イラスト集〔Amazon〕
勉強したくないです
「これは皆さんです」なんてジョークも混ぜて、「~たいです」の否定形の導入です。
活用はイ形容詞と同じです。*「~たくありません」という形もありますが、みん日は「たくないです」のみ。
日本で何をしたいですか
日本へ行きます。
これは海外の学習者向けですね。日本での授業なら、「アメリカで何をしたいですか」「ヨーロッパで何をしたいですか」というようにすると使えるかもしれません。
七夕の時期に近ければ、短冊を用意し、願い事を「~たいです」を使って書く活動ができます。皆、まじめに考えて楽しい活動になります。
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