みん日第24課(後半)「~てくれる」の教え方、教案、導入イラストです。
この課で導入される授受表現は、人との関係(「ウチとソト」)を理解して使わなければならないので、少しややこしい。でも勉強しなきゃね。
「てもらいます・てくれます」(練習A3・4)
物の授受「もらいます」は第7課、「くれます」は第24課の前半で提出済みです。ですから、【て形】+(あげる・もらう・くれる)が行為の授受になるという説明は簡潔にしてしまいましょー。
「~てもらいます」VS「~てくれます」
「てもらう」と「てくれる」の違いをどこまで詳しく説明するかは、コースの目的や学習者の理解度によって異なります。でも私だったら知りたいと思うので、いつもちょっと時間を割いて説明しています。
同じこと言ってるのに何で2つあるの!?とパニックになる学生が必ずいるので、以下の絵を使い、違いを分かりやすく説明しましょう。
~てもらいます
話し手は聞き手にお願いをします。
話し手からお願いをして何かをしてもらうときに「~てもらいます」で表すことが多いです。
話し手にとってプラスになることなので、受ける恩恵に対する感謝の気持ちも含まれています。
~てくれます
話し手はきのう日本語のクラスを休みました。優しい友だちが心配してノートを貸してくれます。
行為をする人が主体的に何かをしてくれるときに「~てくれます」を使うことが多いです。
「~てもらいます」同様、受ける恩恵に対する感謝の気持ちを表しています。
「に」「の」「を」~てくれます
練習B5の4)番は注意が必要な問題です。以下のまとめを使って確認しましょう。
練習Bの絵は、「サントスさんが「わたし」の荷物を持とうとしている絵」です。
× サントスさんはわたしに荷物を持ってくれました。
〇 サントスさんはわたしの荷物を持ってくれました。
「~てくれます」を使った文では、行為の受け手である「わたし」または「ウチの人」を「に」で示します。しかし、上の表にある一部の動詞では「の」または「を」を使い、「に」を使わないので注意が必要です。
「てくれます」の2つの誤用例
×だれに描いてくれますか。
練習B6は「だれが~てくれますか」のQAの会話です。以下のように誤用例と比べます。
×ワットさんが地図を描きました
「教え方の手引き」にあるワットさんが「わたし」に地図を描いているイラストを使って誤用例を挙げます。
感謝の気持ちが表れていない悪い例と、感謝の気持ちが表れている正しい例を比較します。
感謝の気持ちが表れている文にはハートマーク❤をつけて分かりやすくします。(板書でも)
「に」「の」「を」~てあげます
「~てくれます」同様、「~てあげます」も一部の動詞には「の」「を」を使います。以下の表を使ってまとめをします。
「~てあげます」の誤用例
先生、手伝ってあげます。(?)
「教え方の手引き」にもありますが、目上の人には「~てあげます」を使わないようにします。友人(同等または下の人)には「~てあげる」を使うことができます。(ただし、「~てあげる」は恩着せがましく聞こえるときもあるので注意が必要です。)
目上の人に「~てあげます」は使えませんが、その代わりに既出の「~ましょうか」を使えば、手伝いなどの申し出をすることができます。
「○○(機関)から~てもらいます」
余裕があるクラスでは、会社や大学といった機関が行為の与え手の場合、「に」ではなく「から」を使うことを説明しておきましょーい。
コメント
外国で日本語を教えているものなんです。
大変参考になりましたので、本当にありがとうございました。
まだまだ初心者ですので、これから頑張りたいと思います。
きしようさま
お役に立てて嬉しいです。
これからもよろしくお願いします!
東京で日本語教師をしている柳沼と申します。「〜てくれますvs〜てもらいます」とても分かりやすかったです。この説明がどんなに重要かよくわかりました。どうもありがとうございました。
コメントありがとうございます。拙い文のブログですが、これからもよろしくお願いします。