【外国人向け日本語レッスン第1回】日本語の概要をどう教える?➀

Japanese Particles

今、4月中旬。

各機関、日本語コースはもう始まって「日本語のイントロダクション」なるクラスは既に終了されているかもしれませんが、また次の学期用に参考にしてください。日本語教師初心者さん!必見です。

*ここで紹介するのは、一般の日本語学校や個人レッスンなどで使う「日本語の概要」エクスプレスです。大学の日本語専攻など、専門で日本語を学ぶクラスでは学習者の母国語でもっと詳しくされるかと思います。

日本語の語順【SOV】(SVOじゃないよ)

ここでは分かりやすく「英語」の語順と比較して、紹介します。

日本語の語順 SOV

英語の語順は「主語+動詞+目的語」のSVOですが、日本語は「主語+目的語+動詞」のSOVになります。

ここで学生と確認しておきたいことは、日本語の場合、動詞が必ず文の最後に来るということです。このポイントを強調しておきます。

 

Japanese Particles(日本語の助詞の仕組み)

ここで以下の例を紹介します。

「私はYOUTUBEを見ます。」

Japanese Particles

この例文にある助詞は「は」「を」ですが、それぞれ、「主語」「目的語」を表す機能を果たしています。

授業では「助詞」のような文法用語はParticles」と英語や学習者の母語で言ってしまっています。「これはParticlesですよ」というように「Particles」は授業内で何度も使う使用頻度の高い語彙になりますが、この初回クラスでは、

助詞は「マーカー」ですよと言えば分かりやすいです。

「は」の場合は、主語をマークする「subject marker」ですよ、と。

「は」でマークされている語があれば、それは「主語」だということです。

 

語順がフレキシブルな日本語

助詞が存在するおかげで、各語の意味が分かります。

これはつまり、英語やフランス語のようなSVOの言語で大切な語順が、日本語ではフレキシブルになるのです。(学生、拍手)

 

1つ例を見て確認しましょう。

SVO SOV 日本語

日本語の場合、

私はYOUTUBEを見ます」と「YOUTUBEを私は見ます」

の語順が異なる2つの言い方が可能です。(最初に述べたとおり、「動詞は必ず最後」)

 

ここで「えっ、日本語っていい言語じゃん」と、学生の心を掴んでおきましょう。(あとで助詞の勉強で苦しむことになるけどね。)

 

  • 課が進むと「は」は主語というより主題(topic marker)であるという話をしなければなりませんが、ここでは主語としておきます。理由は日本語が難しいという印象を学生に与えないためと、質問されてつっこまれたら困るから。上手く説明できなくなって初回から先生の威厳を落としてはいけない。

日本語の表記方法について

句読点について

「私は、YOUTUBEを見ます。」

日本語 句読点 分かち書き

「私は」のあとにテン(読点)を打たない人のほうが多いと思いますが、ここは上で使った例文を再利用するために打ちました。悪しからず。

指導のポイント

  1. 句点の打ち方に特にルールはない。でも、意味を分かりやすくするために使う。
  2. テンの方向に気をつける。左から右へ、上から下へ。
  3. 句点は小さい丸〇である。
  4. 日本語は「分かち書き」をしない。例えば、日本語教科書「みんなの日本語」は外国人向けに分かち書きになっているが、通常は語と語の間にスペースはなし。

句読点は中級レベルになってもエラーが多いです。注意しましょう。

 

日本語の4種類の表記方法

では、次の例文を見てもらいましょう。

この例文で分かる表記は何種類あるか考えてもらいます。

 

答えはというと...

日本語の表記

 

パッと見で分かるように、色分けをしました。

漢字は有名だから説明要らずですが、私は「棒がたくさんあるのが漢字です」と言ってます。

ひらがなとカタカナの違いを知ってもらいましょう。見た目の違いを考えてもらうと、きっと誰かが「ひらがなは丸い」「カタカナはカクカクしてる」と言ってくれます。

見た目はそれでよいのですが、使い方の違いもきちんと確認しておきます。

知っていて欲しいひらがなとカタカナの違い
  1. カタカナは外国語に由来するもの。ただし、英語だけではない。
  2. カタカナは動物名、植物名にもよく使われる。
  3. オノマトペにもカタカナ。
  4. 中国や韓国以外の国名もカタカナ。(学生の名前も)
  5. 意図的に強調するためにカタカナを使うこともある。
  6. 動詞、形容詞の活用部分はひらがなで書く。(活用で変化しない部分=語幹は漢字を使う)
  7. 助詞もひらがなで書く。

もちろん例外はあります。でもおよその違いは上のとおりです。

 

ローマ字表記

ちなみに日本の日常生活ではローマ字表記もよく使われます。

 

JRの駅名標です。

これを学生に見てもらい、どうしていろんな種類の表記が使われるか考えてもらいましょう。

 

→ ローマ字は主に外国人向けに表記されています。

一瞬学生が「わあ」と喜びの歓声を上げますが、一瞬になります。
なぜなら、町中の標示が全てローマ字でされているわけではないから…だからこそ「ひらがな、漢字の勉強が必要」なんです。

学生:「そうですか」⤵

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日本語の表記の種類のまとめ

 

以上のように、日本語の場合は1つのことばを4つの表記の方法で表すことができます。


次回は「漢字の概要」と「発音(長音)」について説明します。

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