これまでも日本語教育に役立つホームページは数多く見てきました。
でもやっぱり1番は私のブログだなと(ウソです)ここではあまり紹介したことがなかったのですが、ちょっと分からないことがあってググるとね、「何なのこれ~」と叫びたくなるようなホームページが宝の山のようにざくざく見つかります。
これだけ充実してるとね、やっぱり黙ってられません。
ほんとはイヤだけど、こっそり日本語教師の皆さまにシェアします。
どのサイトももちろん無料。アラフォーBBAは無料好き。
【2021年度版】日本語を教えるためのおすすめホームページ
1.Scratch
下記に引用したホームページ紹介文にもありますが、見やすくてかわいいクイズやゲーム、アニメーションが作れてしまうホームページです。
Scratchを使えば、自由にインタラクティブストーリーやゲーム、アニメーションを作ることができます。さらに、できあがった作品はオンラインコミュニティで他の人と共有できます。
Scratchは、若者たちが、クリエイティブに考え、体系的に判断し、協調して活動することを学ぶための手助けをします。これらは、21世紀を生きるために欠かすことのできないスキルです。
ScratchはMITメディアラボのライフロングキンダーガーテングループのプロジェクトで、無償で提供されています。
自分が作ったクイズやアニメーションの教材は同ページでシェアもできます。もともとの対象は8歳から16歳のようですが、ひらがなの練習なんかは大人の私がやっても「楽しい!」
こちらは同サイトでシェアされている仮名をきれいに書くためのアクティビティ。皆さん、試しにやってみて。
書いたあとに「査定を開始する!」という赤いボタンをクリックすると、採点してくれます。何度やっても80点代には行かないのですが、良い点が出るよう、注意して練習してもらえるのではないでしょうか。真横に見本(文字の練習に良いフォント!)があるのでグッドです。
他にもいろいろなアクティビティが作成できるようですが、全てチュートリアルが用意されているので時間があればオリジナル教材も作成できる!
皆さんも教材を作成した際にはぜひご連絡いただき、世界の日本語教師の皆さまにシェアしていただきたい。
動画のチュートリアルの様子↓
2.つながるひろがるにほんごでのくらし
文化庁の「生活者としての外国人」をサポートするサイト、「つながるひろがるにほんごでのくらし」です。日本在住の日本語教師の方ならご存じの方も多いと思います。
このサイトが制作されたもともとの理由は日本に在住しながら、日本語を学習する機会がない、日本語教室が近くない、そういった外国人をサポートするためのようです。ですから、レベル別に用意されているカリキュラムも「日本で生活ができること」が目的になっています。このサイトの良いところは会話の各場面の動画が用意されていること。動画の視聴で各場面で使われる表現が目と耳で確認できます。また、サイトは5つの言語で確認できるため、学習者の負担も軽減されます。
3.「さぽうと21」の生活場面の会話動画
教科書「みんなの日本語」を使用している場合、副教材に会話ビデオがあります。
しかし、海外の日本語学習者が接することができる日本語は、この教科書付属の会話ビデオ、教室で聞く先生の日本語、聴解練習のための音声CDに限られ、視聴覚の教材がどうしても不足します。今でこそインターネットの普及でYouTubeであったり、映画やアニメでも日本語を聞くことができますが、毎日の授業の準備に追われる中、授業の内容に合う視聴覚教材を探したり準備したりするのはとても大変です。
そこで!おすすめしたいのが、社会福祉法人「さぽうと21」で作成された日常生活の会話場面を切り取った動画集です。これらの動画はYouTubeにも公式チャンネルがありますから、学習者の自宅学習にも利用できます。
中級レベル以上であれば、こちらのページにある日本での暮らし、健康、仕事に関する活動、ワークシートも参考になります。個人的には「仕事の面接のための準備活動」がおすすめ。最近増えている日本へワーキングホリデーに行く学習者にぴったりの活動です。
4.きいてまねしてはなしてー「わたしたちが語る」20のエピソードー
こちらは大阪府の教育庁、市町村教育室地域教育振興課、社会教育グループで作成されたテキストです。各地域で外国人の日本語学習を支援されている方にぴったりのテキストです。
入門・初級学習者向けの適切な教材が不足しているという各地域における識字・日本語教室の学習支援者からのニーズを鑑み、作成しました。入門・初級学習者が「自分のことを語れるようにすること」により対話による相互理解を進めることで「生きる力としての日本語」を獲得し、社会とつながり、生き生きと幸せに暮らせることを主眼に据え、作成しました。(令和2年3月作成)
こちらがそのホームページのイメージになりますが、各ユニット(トピック別)でPDFファイルでダウンロードできるので、準備の時間も超節約。
イラストも豊富でね、私のブログのイラストが泣けてきちゃう。(やっぱり紹介したくなかった!)
5.こどもの日本語ライブラリ
こちらも日本在住の外国人、そして年少者に向けた日本語学習教材サイト「こどもの日本語ライブラリ」です。著作権は文部科学省にあります。上記で紹介した教材同様、教室での利用に関しては各自で確認していただきたいのですが、こちらのページは教材だけなく、年少者を対象に、どのように日本語指導を行うか、また教案例、カリキュラム例が紹介されているのでとても参考になります。第二言語として日本語を教えると言っても、成人と年少者では全く違いますからね。突然小学生に日本語を教えることになったというようなとき、参考にすると良いと思います。
6. みんなのCan-doサイト
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠、Common European Framework of Reference for Languages:Learning, teaching, assessment)に基づき、国際交流基金によって作成されたJFスタンダードというのは皆さんご存じかと思います。「~ができる」という記述のCan-doは授業目標の設定に大変役に立ちます。
そこで!
私の周りでは使っている人をあまり知らないのですが、最後にこのCan-doに関するホームページ、ずばり「みんなのCan-doサイト」をおすすめしたいと思います。このサイトを初めて知ったときは、ほんとーうにびっくりしました。このサイトを活用すると、それまで何となくぼんやりしていた学習の到達目標が、レベル別に、能力別に、そして客観的に整理され、明確になります。とある研修に参加し、このサイトのことを知ったのですが、唯一ない項目が文化理解に関することだということでした。評価がしにくい項目ということですね。
利用にはまず、登録(無料)をしなければならないのですが、一度登録すると利用できるツールがたくさんあってびっくりしますよ。
このサイト上で、CEFRのCan-doとJFスタンダードのCan-doの合わせると1000近い「~できる」が細かな条件で検索でき、登録した自分のページに記録、アーカイブできます。自分でCan-doを作ることもできちゃう。コースデザインをする際の利用が最も多いと思いますが、選択したCan-doで学習者の自己評価リストなども作成でき、そのリストはExcelファイルでダウンロードもで・き・るのです。久しぶりに日本に帰ると「Can-do」関連の研修づくめ、そして街に出るとあちこちにキャンドゥの看板…さすがCan-do。
あと、JFスタンダードのサイトでは、話す、書くの産出の評価のサンプルが参照でき、皆さんが普段行っている評価が適当であるか、再確認もできます。会話能力テストに関してはOPIが有名ですが、OPIのテスターに簡単にはなれません。このサイトでこそっと隠れて練習、訓練しておきましょう。サンプルの会話テスト(ロールプレイ)を聞いて、その学習者のレベル(A1、A2、B1…)を判断するのです。話す、書くといったパフォーマンスの評価をルーブリックで行う…でもね、これが意外と難しいのですYO。
ということで、まだまだおすすめしたいホームページはたくさんあるのですが、書ききれないので今日はここまでです。ここで紹介したウェブサイトの利用方法(著作権)については、各自でご確認ください。では、また来週、ごきげんよう。
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