ここでは「みんなの日本語」第17課の教え方(教案)・導入の絵カード・活動アイデアを紹介します。
第17課のメインは、動詞の活用形【ない形】の導入です。
【て形】に比べると活用は簡単なのですが、この17課で導入される文型は早口言葉のように言いづらく長い…(学生は面白がって練習も楽しんでいますが。)
授業ではまず【ない形】の活用に慣れるまで動詞フラッシュカードを使って十分に口頭練習をします。その後、課の前半では2つの文型「~ないでください」「~なければなりません」を導入しましょう。
【ない形】(nai-form)(練習A1)
[ない形]+ないでください
「~ないでください」は、相手にある動作をしないことを指示したり依頼したりする表現です。規則、禁止事項を述べるときによく使います。
スミスさんは体調を崩して病院へ行きました。
医者に「~ないでください」と、指示(禁止)を受けています。
日本は昔から風邪を引いたらお風呂に入ってはいけないと言われてきました。
でもこれは暖房が十分でなく、ドライヤーもなかった時代からのことで、湯冷めをしてしまうからそのように言われていたそうです。国によって異なりますが、シャワーを浴びて熱を下げたほうがいいと言われる国もあり、日本と正反対です。
ということで、上記の状況が文化の違いで違和感を感じる学生もいるので、日本のお風呂の説明や習慣をここで紹介もしておきましょう。日本人は夜にお風呂に入るとか、ね。
文化紹介(日本のお風呂)
文化紹介は写真を使って紹介するのが一番です。【写真AC】というサイトでは無料で欲しい写真が手に入ります。綺麗な写真が簡単に、しかも無料で使えるってすごい。
【ない形】の作り方
「~ないでください」の意味は分かった。でも、どうやってこの表現を作るの?
学生が疑問に思ったときがチャンス!!です。すかさず【ない形】を導入しましょう。
見やすい活用表がテキストの練習A1にあります。
動詞の活用形の導入はⅠ、Ⅱ、Ⅲの順でするのではなく、学生が分かりやすい順(簡単な順)
Ⅱグループ→Ⅲグループ→Ⅰグループ
で導入します。
ない形・Ⅱグループ
Ⅱグループの動詞は、【ます形】の「ます」の前の母音が「エ」のグループです。
ます形の「ます」を「ない」に置き換えます。
*例外の動詞(起きる、見る、降りる、浴びるなど)の活用も忘れずにチェックします。
ない形・Ⅲグループ
「来ます」と「します」は、「来ない」と「しない」です。
ない形・Ⅰグループ
Ⅰグループの動詞は、【ます形】の「ます」の前の母音が「イ」のグループです。
この母音「い」を「あ」に変えて「ない」をつけると【ない形】になります。
- Ⅰグループの「〇います」の場合、「ます」の前の「い」は「あ」ではなく「わ」になります。例:吸わない(×吸あない)/会わない(×会あない)
- 「あります」は例外で「ない」になります。(×あらない)
第15課で導入された「~てもいいですか」と組み合わせた会話例です。
スミスさん、喫煙者だったんだね…
クラス活動(練習C-1)
練習C-1番は病院での医者と患者の会話です。日本で病気にならないほうがいいけど、万が一のためにね、と必要性を感じてもらって練習に入ります。
第17課の参考語彙には症状を述べる表現がまとめられています。学生は「鼻水が出ます」とか「下痢をします」が大好きです。
[ない形]なければなりません(練習A3)
「~なければなりません」は必要なこと・義務を述べるときに使う表現です。規則を言うときにも使います。
「~なければなりません」は長いし、言いにくい表現です。
動詞カードを使って、動詞の活用練習はしつこく慣れるまで何回も口頭練習します。しつこくても学生は早口言葉のように楽しんで練習していますよ。フラッシュカードの無料ダウンロードはこちら↓。
疑問文の中で...
理由説明の中で...
新しい断りの表現の導入です。
文型「~なければなりません」を使って理由を説明し、誘いを断わります。
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