学生は友だちもでき、日本語の授業にも慣れてきたころです。教師の私たちも教室に入る前の緊張がほぐれてきたころですね。
でも、年を取るごとに経験年数が増えるごとに学生の名前が覚えられなくなってます。まずいなー。ちょっと前まではこの課、3課あたりで問題なくクラス全員の名前を覚えてたのになー。
「みんなの日本語」第3課の学習目標は、場所を示す指示語「ここ、そこ、あそこ」を使って特定の場所が言えるようになること。それでは、日本語の教え方(教案/導入イラスト/クラス活動のアイデア)です。
ここは(場所)です
場所を表す文型の導入です。(練習A1)
まずは、下のイラストを使って「ここ・そこ・あそこ」の位置関係を確認しましょう。
ここは事務所です。
「ここ・そこ・あそこ」のまとめ
他にもこんな例文、練習問題はいかが?
ここはアメリカです。
[場所・物・人] は あそこです
指示語「ここ、そこ、あそこ」が述部にくる文型です。(練習A2)
トイレはどこですか。
とうとう重要表現の登場です。これ以上大切なものはないと思うのですが、どうでしょう?
「トイレはどこですか」は日本に行って、成田空港で一番最初に使う表現です。(といっても日本の施設は案内も分かりやすいので人に聞く必要がないか。)
文型積み上げ式は学習する文型が実際にどのような場面で使われるのか分かりにくいことがあります。でも「トイレはどこ?」は明らか。
トイレはここです。
ー階(助数詞)
第1課で年齢を表す助数詞「-歳」が導入されました。
ここでは建物の「~階」を導入します。数字によって発音が異なるので、何度も口頭練習を繰り返し、音で覚えるのが一番です。
くつ売り場は何階ですか。
「ー階」の言い方はのまとめです。注意しなければならない発音は緑色になっています。ほとんどですが。
ローマ字版
何階ですか?
ちょっとしたエピソードのご紹介。
ある日、超・初級レベルの学生が町の中で日本語を使う機会を得たそうです。(場所は海外の辺鄙な地)学生の乗っていたオフィスビルのエレベーターに日本人ビジネスマンが乗って来たそう。
そこで学生は即、日本語で話しかけました。
「何階ですか?」
突然外国人に日本語で話しかけられたビジネスマンはきっと驚いたはず。
でもこの超・初級レベルの学生は教室で学んだことを実際の生活の場で使えたことにより学習意欲がアップ⤴。
小さなことですが、学生にとってはこういった経験が学習に対する自信になり、動機になります。
第3課の後半の教案、導入イラストはこちらから。

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