この課のテーマは対象を表す助詞に「が」をとる「好き・嫌い」「上手・下手」「わかる」「ある」の導入です。
形容詞は第8課で既に導入済みですが、ナ形容詞の「好き・嫌い」「上手・下手」と動詞「わかる」「ある」の使い方は特別であることを理解してもらわなけばなりません。
~は~が好きです/嫌いです
ナ形容詞「好き・嫌い」の導入です。(練習A1)
第6課では他動詞を導入し、動作の対象となるものは助詞「を」をとる(例:本を読む)としましたが、ナ形容詞の「好き・嫌い」は対象を表す助詞に「が」を使います。
わたしは酒飲みではありませんが、同僚に酒飲みの先生がいて、この例文が得意です…
この例文なら大半の女性教師に対応できる…?わたしも断然こちらです。日本の繊細な味のいちごのショートケーキが懐かしい。
映画の話は盛り上がります。
アニメ映画の話になるとついていけないことが多いですが。
時間に余裕のあるクラスでは、単に「映画が好き」という言うだけではなく、好みの映画のジャンルを言う練習をすることもできます。「みんなの日本語」翻訳・文法解説の参考語彙に「アクション、SF、ドラマ、ドキュメンタリー」といった映画のジャンル別の好みを話しましょう。各学生の意外な面が見られて面白いよ。ええっー!あんたその顔でロマンスが好きなん?とか。
上のイラストでカラオケを導入したのなら、あわせて文化紹介(日本のカラオケ)もしておきましょう。
欧米のカラオケは日本のとは全然違います。学生の国と日本のカラオケの違いを発表してもらってもいいですね。
絵を描いてから変な例文だと気がつきました。アメリカ人のスミスさんがお酒飲まないはずはないのに。
知り合いのアメリカ人が友人の結婚式で行方不明になり、警察を呼ぶ騒動になったことがあります。翌朝泥酔の状態でトイレで見つかったというオチ…アメリカ人が飲む量は半端ない。
- 「~好きじゃありません」=「嫌いです」ですが、「嫌い」は直接的で聞き手に悪印象を与えるので、注意が必要です。
あまり好きじゃありません
副詞「あまり」は形容詞を導入した第8課で導入済みですが、復習を兼ねて「好き・嫌い」でも使い方を確認しておきます。
疑問詞「どんな」
「どんな~が好きですか」に対する答えは2つの答え方があります。
- 具体的に名詞で答える(例:テニス、サッカーなど)
- 好きなスポーツの特徴を述べる答え方(例:外でするスポーツ、ボールを使うスポーツ)
連体修飾は未習なので、ここでは1.の答え方のみになりますが。
~は~が上手です/下手です
「好き・嫌い」と使い方は同じです。(練習A2)
スミスさん、酒は飲めないし、カラオケ下手だし、ダメじゃん!
上のイラストで「上手」と「下手」が対義語とすぐ理解できますが、指導の際は次の点を注意しておきます。
- 日本人は自分のことに「~が上手だ」とは言わない。おこがましい。
- 「上手・下手」は技量、技術の優劣に使う。「勉強」「数学」「音楽」などには使えない。「勉強」などの場合には、その分野に自信があるという意味で「得意」が自然ですが、「得意」は未習の語彙なので、「好き・嫌い」を使うように指導しましょう。
続きの第9課、後半の教案&イラストはこちらから。
コメント
始めまして
私は日本語の教師です。このウェブサイトのみんなの日本語の教案が気になっています。この教案に基づき、生徒に教えたいと思っています。しかし、いくつかログインできないそうです。どうすれば全部ログインできますか。
宜しく御願い致します。
ブログを見てくださって、ありがとうございます。アクセスできない教案は...まだアップできていない教案だと思います。ごめんなさい。今日は第35課の教案をアップしました。新しい教案をアップしたらTwitterでもお知らせしているので、ぜひフォローしてください。