「みんなの日本語」第6課の教え方(教案、導入イラスト、活動アイデア)を紹介します。
基本の他動詞の導入後、ここでは助詞「で」(場所)、接続詞「それから」、「いっしょに~ませんか」(誘い、提案)、「~ましょう」を導入します。
~で~ます
動作が行われる場所を示す助詞「で」の導入です。(練習A3)
デパートで時計を買います。
イタリアで時計を買います。
大学で日本語を勉強します。
うちで日本語を勉強します。
疑問詞「どこで?」
以下の例文をそのまま順に学習者にたずねていきましょう。
いつもどこで昼ご飯を食べますか。
場所を示す助詞のまとめ「へ」VS「で」
助詞「で」の練習が十分にできたら、以下のイラストで場所を示す助詞を少しまとめておきましょう。
この時点で混乱している学生はいますが、第10課で「に」が出るとさらにパニックです。恐ろしや。
- 「へ」:到着点、移動する方向(行きます、来ます、帰ります、など)
- 「で」:動作が行われる場所(食べます、勉強します、寝ます、など)
接続詞「それから」
日本語を勉強します。それから、デパートへ行きます。
以下のような質問で、接続詞「それから」を使う練習をしましょう。
- 日曜日、何をしますか。
- きょうの午後、何をしますか。
相変わらず「何もしません」しか言わない学生に苛立ってはいけません。ストレスはお肌の大敵です。
いっしょに~ませんか。/~ましょう。
「~ませんか」は否定疑問文で、聞き手にその動作を一緒にするように勧誘する表現です。(練習A4 )
導入の前に、新出語彙の「ええ」の例文を紹介しておきます。
「朝ご飯を食べますか。」「はい、食べます。」
同じ意味で、
「朝ご飯を食べますか。」
「ええ、食べます。」
次に、勧誘の「~ませんか」の導入です。
誘いを受ける場合の答え方の一つ、「いいですね」も導入します。
ビールを飲みませんか。
…ええ、いいですね。
チェックポイント
- 動詞の活用の形「ます形」は未習だが、「~ませんか」に接続する動詞の形(ます形)を確認しておく。
- 「~ませんか」は全ての他動詞と接続する。
- 否定疑問文で相手が断わることができるような誘いのため、話し手の意見を押し付ける印象はない。
また、勧誘の表現「~ませんか」は「いっしょに」といっしょに用いることがよくあります。
誘いを受ける場合の返事「~ましょう」とあわせて導入しましょう。
一緒にビールを飲みませんか。
…ええ、飲みましょう。
チェックポイント1
- 余裕があるクラスでは、既習(第5課)の動作を一緒にする人を表す助詞「と」を使って、「ミラーさんといっしょに東京へ行きます」というような使い方ができることを確認しておく。
- 誘いを断わる表現も確認しておく。
例:「すみません、きょうはちょっと…日本語を勉強します。」「ありがとうございます。でも、きょうはちょっと…」)
チェックポイント2
- 「~ましょう」には2つの意味がある。
① 誘いを受け入れるときの返事
② 一緒に何かをしようという誘い(やわらかい指示を含む) - 「~ましょう」は相手の気持ちをたずねる質問文ではないため、話し手の意志が強く表れている表現である。したがって、「~ませんか」のほうが丁寧な誘いになる。
- 教師が学生に言う「授業を始めましょう」は、授業を始めることを前提に述べる指示に近い形である。
次の第7課(やりもらい)の教案はこちらからどうぞ。
コメント