「みんなの日本語」第5課の教え方(教案・導入イラスト・活動アイデア)です。
この課の主な内容は移動動詞「行きます」「来ます」「帰ります」の導入ですね。
また、これらの動詞と一緒に使う助詞「へ」(移動する方向を示す)と「で」(移動手段・方法を示す)も新出です。
[場所]へ行きます
では、移動する方向を表す助詞「へ」を導入しましょう。
新出語彙で「行きます・来ます・帰ります」が導入されていると思いますが、「へ」の導入の前に絵カードを使ってしっかり口慣らししておきます。(練習A1)
指導の手順は、まず、下の1つ目のイラストの例文で「~へ行きます」を導入。次に、2つ目のイラストで目的地を変えて例文を確認します。
大学へ行きます。
指導のポイント
- 「へ」は「え」と発音する。
- 「大学へ行く」という場合、「大学に行く」というように言いかえることが可能である。細かい違いは、「へ」は移動する方向を示す格助詞であり、「に」は到着点を示す格助詞であるということ。「みんなの日本語」の第5課で「へ」のみが導入されているのは、学習者の混乱を避けるため。「へ」に十分慣れたら「に」も使えるということを紹介すると良い。いつ紹介するかは学習者の理解度を見て判断する。
どこも
「疑問詞+も(副助詞)」の「どこも」の導入です。完全否定を表します。
あしたどこも行きません。
指導のポイント
- 「どこも」は、「学校へ行かない、スーパーへ行かない、その上に…」という付加の意味の「も」をともなって、完全な否定を表す文になる。
- 「どこへも」や「どこにも」という言い方もあるが、「みんなの日本語」第5課は「どこも」のみ。
疑問詞「どこへ?」
既出の疑問詞「どこ」と助詞「へ」(移動先)です。
あしたどこへ行きますか。
[乗り物]で行きます
移動手段を表す格助詞「で」の導入です。(練習A2)
第5課の新出語彙「電車、地下鉄、バス、タクシー、船、自転車」などの乗り物を置き換え紹介していきます。
まず、アメリカ人のスミスさんです。「わたしは日本へ行きます」
そして…
飛行機で日本へ行きます。
スミスさんをカラーにしてみました。
次に、ブラジル人のシルバさんで例文です。
シルバさん、「病院へ行きます。」
そして…
自転車で病院へ行きます。
ところで、第1版のサントスさん役の俳優さん、どこの方なんでしょうか。ブラジル人ではない気がしますが…以前、NHKのある番組でアラビア人役をやっていたのを見たことがあります。俳優さんとして活躍されているんですね。ある学生は渋谷で偶然見かけ、一緒に写真を撮ってもらっていました。なんて偶然。
他に次のイラストもいかが?
「歩いて」+移動動詞
移動手段を表す助詞「で」の次に、例外の歩いて移動する場合の「歩いて」+移動動詞を導入しましょう。これは「乗り物+で」が十分練習できてからに導入するようにします。
歩いて大学へ行きます。
時折空気の読めない学生が「乗り物+で」の導入段階で、ひとり先走って「歩いて行きます」と言うときがあります。
私は心の中で「何で導入前に言っちゃうのよっ!教案と流れが違うじゃないっ!」と思いながらも、笑顔で「そうですねー、いい答えですねー」そして、「『歩いて~』というのは…」とそこで「歩いて」も導入してしまっています。
勿論、「歩いて」が課の新出語彙にあって語彙として導入が済んでるんだからしょうがないんだけど、空気読んでよ!と言いたい。
疑問詞「何で?」
移動手段を問う「何で」(疑問詞「何」と助詞「で」)の導入です。
何で大学へ行きますか。
ここでの練習は、普段の生活の中で学校や会社、スーパーなどに行くときの移動手段を尋ねるというQA練習ができますね。
下のイメージも使ってみてください。
目的地と乗り物を合わせて自由作文です。
第5課、後半の教案&イラストはこちらから。
第4課でも紹介した教室活動ですが、この区切りでもできます。いかが?
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